もしも採用活動をゼロ円で実施するなら

2020.02.25

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新卒採用では、毎年約40万人の新卒学生が就職を希望しています。

中途採用なら、極論を言えば日本の労働人口6000万人が母集団です。

では、その40万人や6000万人すべてにリーチできる必要があるのか?と聞かれれば、答えはNOです。

事業における営業活動やマーケティングと同じで、「すべて全国区に活動しなければならない」わけでは勿論ありません。

それはつまり、 「必要なセグメントにリーチできれば良い」 ということです。

「必要なセグメントにリーチできる力」が高い企業は、やはりブランディングに成功しています。

自分たちの事業領域や価値観に共感する「人材」が、自社の存在を知ってくれるわけです。

そのような事業活動をすることで、自然と知ってもらえるという理想的な採用につながります。

この記事では、そのようなブランディングに成功している企業が「もしも採用予算をゼロ円にしたら」という仮定のもとに解説していきます。

「採用活動ゼロ円」という仮定の解説と3つの事例

先述した、「必要なセグメントにリーチできる力が高い企業」を例に解説をしていきます。

トヨタ自動車の例

もしもトヨタ自動車が採用予算をゼロ円にして「自社ホームページのみで人材を募集する」としたら。

おそらく、しばらくはトヨタ自動車に応募する人材は大勢いるでしょう。

それは、トヨタ自動車の事業内容やビジョンが広く知れ渡っているからです。

さらに、社風やカルチャーもなんとなく想像ができてしまいます。

給与水準などもある程度想像できるので、それらの情報は差し支えない範囲で自社ホームページに掲載するだけで充分です。

「自動車関連の仕事をしたい」

「環境問題を解決するような自動車を開発したい」

そんな思いを持っている人材がいたとしたら、トヨタ自動車やテスラのことを知らないわけがありません。

普通に生活している中で、これらの企業の情報は自然と人材のもとへ流れてくるでしょう。

このように、「自社の事業を推進していくブランディング」によってキャンディデートが集まってくる状態であることも、採用活動の一つの理想形と言っていいでしょう。

大地を守る会の例

トヨタ自動車ほどの規模や知名度でなくとも、採用予算をかけずに人材を集めることはできます。

オイシックス社と経営統合した「大地を守る会」という会社があります。

有機農法などの野菜を通信販売している会社です。

実際に採用予算をどれほど投じていたかは分かりませんが、それほど潤沢に投資はしていないだろうと推測されます。

しかしこの企業は、採用予算をかけずとも人材がどんどん集まってくる会社の一つです。

特に新卒学生からは大人気の企業です。

「環境問題に取り組みたい」

「環境問題に取り組むことを仕事にしたい」

そういう学生は大勢います。

環境問題について学ぶうちに、自然と「大地を守る会」を知ることになります。

「その事業に参加したい」

「そのビジョンに貢献したい」

求職者にそう思わせる活動をしていること自体が、とても強い採用活動になるのです。

もしも「大地を守る会」が、採用予算ゼロ円で自社ホームページに「人材を募集しています」とだけ書いてあっても、ひっきりなしに応募があったであろうことは容易に想像されます。

しっかりとしたビジョンに基づいて企業活動をしていると、その領域に関心のある人材は、自然とのその企業の存在を知ることになってしまうのです。

サイボウズ

サイボウズは、グループウェアを提供する事業を営んでいますが、事業内容によって知名度が高まったというよりも、組織の価値観、文化、思想、バリューといったものによってその知名度が高まってきたケースの一つかと思います。

私は大学での就活支援講座を担当していますが、授業で一言も言っていないのに「サイボウズに入社したい」という学生が、なぜか毎年一定数存在します。

「事業内容に共感する」以上に 「その働き方・価値観に共感する」 といったことによって人材を誘因するという側面は、今後より一層増えてくるかもしれません。

新卒採用における「人事担当者」の影響

無名の企業が、学生の口コミによって人気企業になることがあります。

採用担当者がカリスマ人事のようになっているケースです。

ここでは2つの事例をご紹介します。

LINEのカリスマ人事

「LINE」で採用担当をされている青田さんの例です。

私も青田さんのTwitterから勉強させていただいておりますが、採用活動に役立つ情報がたくさん配信されています。

経営者はもちろん、各社の採用担当は日々ウォッチしていることでしょうし、そんな青田さんと会える機会があればイベントにも参加したいと思うはずです。

そこでこのようなツイートが流れてくれば、一緒に働いてみたいと思うことは必然ですね。

このように、個人のTwitterで採用活動が実現できてしまっている例です。

採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則

塚田農場の取り組み

この要素を組織的に行っている例の一つが塚田農場でしょう。

>>バイトが辞めない「塚田農場」カリスマ副社長が今夜も店舗に立つ理由

居酒屋を経営する塚田農場は、学生アルバイトの就活を、自社利益の立場からでなく「学生の立場に立って」支援しているようです。

このことによって「塚田農場でアルバイトしよう」という学生を集めることに成功するだけでなく「塚田農場が好きだから、就職したい」という学生を集めることにも成功しているようです。

これほど組織的かつ、徹底的な取り組みでなくとも、「カリスマ人事」がいることによって、ただそれだけ学生の口コミが広がり、自社の採用活動を成功させられるケースがあります。

カリスマ人事の共通点

これらの「カリスマ人事」に共通する要素は 「自社の採用活動を超えて、学生の人生の応援をする」 といった姿勢にあることです。

言ってしまえば当たり前ですが、人間は「自分のことを真剣に考えてくれている人」に対して、信頼を寄せたり、好意を寄せたり、一緒にいたいと思ったりするものです。

学生にとっては「初めて社会人になる不安いっぱいのタイミングで、(自社の採用をわきに置いて)就職活動全般について相談にのってくれ、アドバイスをくれる存在」は、それは当然とても有難い存在です。

これは手間はかかります。

そして会社として「人事部長、君は学生から見たカリスマ人事になりなさい」と命令すればできるのかというと、それだけでは難しいところはあります。

しかし、採用予算ゼロ円で自社の採用を成功させようと思ったら考えるべき施策の一つです。

「影響力の武器」にもあるように「先に与える」ということはとても力強いものなのです。

「採用活動しない」で採用できるのは究極の理想形

弊社は最初、3人で設立した会社です。

大学時代の友人2人を誘って創業し、少しずつメンバーがジョインしていきましたが、そのメンバーの採用予算は0円です。

創業メンバーたちとの信頼関係があり、採用予算が0円でも採用に至っているわけです。

このケースは確かにベンチャー企業の特殊なケースに過ぎないかもしれませんが、それでも「採用予算0円」で採用できていることには違いありません。

大きな意味で言えばいわゆる「縁故採用」ということになります。

今いる社員の人格、人間性、そして信頼関係によって採用ができているということです。

外資系企業に勤めている友人がいますが、そこでは「周りに良い人がいたら、自社にどんどん推薦せよ」というお達しがあるそうです。

これも大枠で言えば縁故採用です。

今いる社員の信頼資本や交友資本をフル活用して採用活動をしているわけです。

これは自社の社員が友人に「お前うちにこいよ」と言った時に、その友人が「お前が言うなら行こうかな」と言われるような人間でなければ成り立ちません。

そういう意味で「自社社員の優秀さ、人間性の高さ」は、採用における重要な資産です。

 企業は「自社社員が、周囲から信頼され憧れられるような人材に育てる」ことを軽視してはいけません。 

それは最強の採用施策でもあるわけです。

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